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たちばな庵

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【狼陛下の花嫁】 5巻 花嫁の家出前

 オリキャラ出ます。
 今日はお渡りはないと聞いていたけれど、「妃の顔が見たくなった」と突然やって来られた陛下。
 「いけないか?」と問われ「もちろん……嬉しゅうございます……」とお顔を赤められるお妃様も、いつまでも初々しくてお可愛らしい。
 私たちは陛下の合図を待つまでもなく、退室した。

「うわあああああん!!!」
 中の様子はわからないけれど、呼ばれれば馳せ参じられる位置で控えていると、聞こえたお妃様の叫び声。
 何事かと駆けつけようとすると、隣に座る古参の先輩女官が口を開いた。
「人払いされたからには、呼ばれるまで控えていなさい」
「けれど」
 もしかしたら、陛下がお妃様に無体なことでもなさったのでは……。
「あのくらいのお声はよくあることです。お戯れなのでしょう」
「そうなのですか」
 宿直につくのが初めてな私は驚くばかり。

 けれど、続いてまた叫び声が聞こえた。
 今度は隣でも腰を浮かせる気配があって、私たちはお妃様のお部屋へ駆けつけた。
「この酔っ払い!! あっち行ってー!!」
 ……酔っ払い? あっちへ行け?
 今の、まさか、お妃様が、陛下に? ――あの、狼陛下に!?
 思わず足を止めた私の隣から、先輩女官が声をかける。
「陛下、お妃様、どうかなさい――」
「なんでもない。お前達は下がれ」
 先輩の声を遮った陛下の声は、ひどく焦っておられるように聞こえて――焦る? 狼陛下が?

 トドメは、
「嫌い! 狼陛下なんか大っキライ!」
 ……お妃様! 何と言うことを――!

 下がれと言われてお部屋へ入るわけにもいかず、真っ青な顔で立ち尽くす私たちの前に陛下が出てこられた。
「少し、部屋が乱れてしまった。片づけてくれ。……まだ少し、妃の気が立っているから気をつけよ」
「はい……。あの、陛下」
「……帰る」
 陛下はひどく疲れたお顔で、ふらふらと自室へ戻られた。

 ……まさか、狼陛下を叩き出すなんて……。
 恐る恐るお部屋に入り、突っ伏して震えるお妃様に声をかけた。
「お……お妃様?」
「――文を」
「はい?」
「文を書きます。仕度してください。――今すぐ!」
「は、はいっ、ただいま!」

 新人女官目線でお送りしました(笑)。
 今回の夕鈴の声は、女官に聞こえちゃったんだと思うんですよねー。
 翌日、「狼陛下が嫁に逃げられた」と女官の中で噂されていればいい(笑)。

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