たちばな庵
二次創作メインのブログです。 男女CPオンリー。 ご注意ください。
5巻からクリスマス話
- 2013/01/02 (Wed)
- キス早 |
- CM(0) |
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ずっと書きたかったネタです。
クリスマスはとうに過ぎておりますが……ご容赦くださいm(_ _)m
鉄兵くんが寝た頃を見計らって、そっと襖を開ける。
よく寝ているようだけれど、念のため声を潜めて手招きをした。
「文乃さん、文乃さん」
文乃さんは顔に「?」を浮かべながら、自分の部屋に招き入れた。
文乃さんを座らせて自分も向かいに座って――
「どうしてもダメですか? サンタビキニ」
――サンタビキニを出してみた。
「着ねーよ!」
「そうですか……」
かぶせ気味の返事はやはり「No」で――当たり前か。
まあ、本題は別のところにあるんだけど。
「わざわざ呼び出してそんな話? だったらあたしもう寝る……」
「待って待って。さっきのは冗談。――鉄兵くんのクリスマスプレゼントを相談したくて」
「……え?」
立ち上がりかけた文乃さんを慌てて制して、再び座ってもらう。
「文乃さんもアルバイトしたお金でプレゼント用意するでしょう? かぶっちゃわないようにしないとね。
やっぱりリーゼントくんのおもちゃかな。けど、本が好きだから絵本も喜んでくれそうだよね。文乃さん、鉄兵くんから何か聞いてる? ――文乃さん?」
文乃さんはうつむいて、肩を震わせている。
「――龍せんせいが言ってた。鉄兵、保育園で『サンタさんへのお願い』に『3人でずっと暮らせるように』って書いたんだって。何か欲しい物はないか聞いたら、まーくんとブンちゃんって答えたんだって。
……クリスマスって言うより、七夕みたいだよね!」
――上げた文乃さんの顔は、泣き笑いになっていた。
「文乃さん」
「去年は何も買ってあげられなくて……当然サンタさんも……鉄兵、あんなに良い子なのに……っ」
文乃さんの目に、涙が溢れる。
――たまらず、ぎゅっと抱きしめた。
「文乃さん、たくさんプレゼントを買おう。
サンタさんから、去年と今年の分で2つ。25日の交換用にも、僕からと文乃さんからで2つ。
ね?」
「せんせ……ありがと……」
文乃さんも僕を抱きしめてくれる。
――よみがえる、子どもの頃の記憶。
街中や友達の家のように飾りつけられることのない我が家、そして――いくら待っても来ないサンタクロース。
鉄兵くんにそんな思いはさせたくない。それは、文乃さんも同じだろう。
けれど、昨年の状況はクリスマスどころではなくて――それでも文乃さんは自分を責めてしまう。
「今年のクリスマスは盛大にしましょう」
――去年のクリスマスを補って余りあるぐらいに。
「――うん。でも、やりすぎはダメだよ。もうツリーの飾りは十分だし、ケーキも1個で良いからね」
「はーい。文乃さんはしっかり者の奥さまですね☆」
「な……っ。それから、サンタビキニは着ないからね!」
「うーん、仕方ない。それじゃ、別の衣装を考えないと」
「ほっ、ほどほどにしてよ」
「ほどほどかー、うーん」
「そこ、悩むとこなの!?」
クリスマスはとうに過ぎておりますが……ご容赦くださいm(_ _)m
鉄兵くんが寝た頃を見計らって、そっと襖を開ける。
よく寝ているようだけれど、念のため声を潜めて手招きをした。
「文乃さん、文乃さん」
文乃さんは顔に「?」を浮かべながら、自分の部屋に招き入れた。
文乃さんを座らせて自分も向かいに座って――
「どうしてもダメですか? サンタビキニ」
――サンタビキニを出してみた。
「着ねーよ!」
「そうですか……」
かぶせ気味の返事はやはり「No」で――当たり前か。
まあ、本題は別のところにあるんだけど。
「わざわざ呼び出してそんな話? だったらあたしもう寝る……」
「待って待って。さっきのは冗談。――鉄兵くんのクリスマスプレゼントを相談したくて」
「……え?」
立ち上がりかけた文乃さんを慌てて制して、再び座ってもらう。
「文乃さんもアルバイトしたお金でプレゼント用意するでしょう? かぶっちゃわないようにしないとね。
やっぱりリーゼントくんのおもちゃかな。けど、本が好きだから絵本も喜んでくれそうだよね。文乃さん、鉄兵くんから何か聞いてる? ――文乃さん?」
文乃さんはうつむいて、肩を震わせている。
「――龍せんせいが言ってた。鉄兵、保育園で『サンタさんへのお願い』に『3人でずっと暮らせるように』って書いたんだって。何か欲しい物はないか聞いたら、まーくんとブンちゃんって答えたんだって。
……クリスマスって言うより、七夕みたいだよね!」
――上げた文乃さんの顔は、泣き笑いになっていた。
「文乃さん」
「去年は何も買ってあげられなくて……当然サンタさんも……鉄兵、あんなに良い子なのに……っ」
文乃さんの目に、涙が溢れる。
――たまらず、ぎゅっと抱きしめた。
「文乃さん、たくさんプレゼントを買おう。
サンタさんから、去年と今年の分で2つ。25日の交換用にも、僕からと文乃さんからで2つ。
ね?」
「せんせ……ありがと……」
文乃さんも僕を抱きしめてくれる。
――よみがえる、子どもの頃の記憶。
街中や友達の家のように飾りつけられることのない我が家、そして――いくら待っても来ないサンタクロース。
鉄兵くんにそんな思いはさせたくない。それは、文乃さんも同じだろう。
けれど、昨年の状況はクリスマスどころではなくて――それでも文乃さんは自分を責めてしまう。
「今年のクリスマスは盛大にしましょう」
――去年のクリスマスを補って余りあるぐらいに。
「――うん。でも、やりすぎはダメだよ。もうツリーの飾りは十分だし、ケーキも1個で良いからね」
「はーい。文乃さんはしっかり者の奥さまですね☆」
「な……っ。それから、サンタビキニは着ないからね!」
「うーん、仕方ない。それじゃ、別の衣装を考えないと」
「ほっ、ほどほどにしてよ」
「ほどほどかー、うーん」
「そこ、悩むとこなの!?」
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