忍者ブログ

たちばな庵

二次創作メインのブログです。 男女CPオンリー。 ご注意ください。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

お留守番前

糖度高めです。
「はっ……、あ……っ」
 蒸し暑い部屋に、荒い息遣いだけが響く。

「せ……っ、ちょっと待っ……」
 先生がヘンだ。
 いつもはもっと優しくしてくれるのに、今日は容赦ない。
 私が息も絶え絶えに訴えても、先生はその手を緩めてくれない。

「や……っ、もう……っ」
「――まだだよ」
「……っ。せんせ……っ」



「……文乃さん、大丈夫?」
 先生が、冷たいタオルで顔や体を拭いてくれる。
 私はぼんやりと目を開けて、先生を睨んだ。
 時計は夜中2時を指している。
「大丈夫なわけないでしょっ。ほらもう2時じゃん! 先生こそ、明日はいつもより早いんでしょーがっ」
「あー、行きたくないなぁ~」
そんな駄々っ子のようなことを言って、先生は私に抱きついた。

 明日から、先生は3日間留守にする。
 臨海合宿の引率なのだ。

「何でよ。あたしみたいな問題児、今のクラスにはいないんでしょ?」
「問題児はいなくても、文乃さんがいない」
「なっ……」

 私は赤くなった。
 真顔で何言ってんの!

「寂しいな~心配だな~」
 先生はぐずぐず言いながら私の肩口に顔をぐりぐりしてくる。
「やっぱり、まだ足りない。もう1回、いい?」
「いいわけあるかっ!」

 ばしっと先生の頭を叩いた。

「もう寝なって。――ちょっと」

 そう言う間にも、先生は体中にキスの雨を降らせる。

「先生、そんなにしたら跡ついちゃうよ」
「いいじゃないですか、夏休みなんだし」
「困るって。鉄兵に何て言ったらいいのよ」
「今さらですよ。――それより」
 先生は私を抱きしめる腕に力を込めた。
「僕が留守にするっていうのに、文乃さんは平気そうですね?」

 にーっこり聞いてくる、その笑顔がコワイよ!

「へ、平気じゃないよ。あたしだって寂しいけど……でも、仕方ないじゃん。お仕事なんだし」

 私はそっぽを向いて答えた。

 ――そうだよ。平気なわけない。
 先生が私の知らない所で水着姿の女子生徒に囲まれて、私の知らない女の子たちが先生の水着姿を見るなんて。
 先生が意外に逞しいことや、肌がキレイなことなんて、私だけが知っていればいいことなのに。

 思わず、先生の背中に手を回した。

 本当は行って欲しくない。けど、それは言えないから。

「文乃さんも僕につけて。3日間消えない跡――」
「ん……っ」

 私は促されるまま、夢中で先生の肌に唇をつけた。



「ん……先生?」
「あ、起こしちゃいましたか?」

 ふと目を開けると、先生がバッグを手に立ち上がるところだった。
 見送りするために起き上がろうとするのを、先生はやんわりと止める。

「そのまま、寝てて。――行ってきます」
「行ってらっしゃい」

 先生は私のまぶたにキスをして、部屋を出て行った。

 ……先生、ちょっとは寝たのかな。目の下のクマ、すごかった……。

 そんなことを考えながら、私は再び眠りに落ちていった――。


□あとがき□

 たった3日ごときで……(笑)。

拍手[3回]

PR

この記事へのコメント

Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧できます
 

カレンダー

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

フリーエリア

プロフィール

HN:
はるき
性別:
非公開
Copyright ©  -- たちばな庵 --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Photo by momo111 / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]