たちばな庵
二次創作メインのブログです。 男女CPオンリー。 ご注意ください。
ご挨拶 並びに ご案内
- 2014/01/01 (Wed)
- はじめに |
- CM(0) |
- Edit |
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はじめましての方も、そうでない方も。
ようこそお越しくださいました。
たちばな庵 亭主のはるきでございます。
拙い散文ばかりではございますが、どうぞごゆっくりとお過ごしください。
お楽しみいただければ幸いです。
なお、上記にもあるとおり、こちらのブログサイトは二次創作をメインとしております。
身に覚えのない方は、これより先には進まれませんようご注意ください。
<カテゴリ説明>
キス早…原作設定(一馬×文乃)
キス早(近未来編)…原作の最終回後
キス早(another end)…原作とは違った、文乃高校卒業後。
まーくんは転勤せず、ずっと文乃たちと暮らしてます。
身も心も夫婦な設定。全体的に糖度高めのため、ご注意を。
QED…燈馬×可奈 友達以上恋人未満
QED(ドラマ版)…まんまです。
コナン(平×和)…これは説明不要でしょう(笑)。
ときどき糖度高めが混じってますのでご注意ください。
その他…上記にないジャンル。書きたいものを無節操に書く所存。
一応、オリキャラやイチャイチャが出てくるものには注意書きして「続きを読む」設定にしておりますが、基準は亭主であることをご了承くださいm(_ _)m
雑記…日記と買った本、その感想など
登録させていただいています(BxG Lovers 様)
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プロフィール写真をお借りしました(防腐剤 様)
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5巻からクリスマス話
- 2013/01/02 (Wed)
- キス早 |
- CM(0) |
- Edit |
- ▲Top
ずっと書きたかったネタです。
クリスマスはとうに過ぎておりますが……ご容赦くださいm(_ _)m
鉄兵くんが寝た頃を見計らって、そっと襖を開ける。
よく寝ているようだけれど、念のため声を潜めて手招きをした。
「文乃さん、文乃さん」
文乃さんは顔に「?」を浮かべながら、自分の部屋に招き入れた。
文乃さんを座らせて自分も向かいに座って――
「どうしてもダメですか? サンタビキニ」
――サンタビキニを出してみた。
「着ねーよ!」
「そうですか……」
かぶせ気味の返事はやはり「No」で――当たり前か。
まあ、本題は別のところにあるんだけど。
「わざわざ呼び出してそんな話? だったらあたしもう寝る……」
「待って待って。さっきのは冗談。――鉄兵くんのクリスマスプレゼントを相談したくて」
「……え?」
立ち上がりかけた文乃さんを慌てて制して、再び座ってもらう。
「文乃さんもアルバイトしたお金でプレゼント用意するでしょう? かぶっちゃわないようにしないとね。
やっぱりリーゼントくんのおもちゃかな。けど、本が好きだから絵本も喜んでくれそうだよね。文乃さん、鉄兵くんから何か聞いてる? ――文乃さん?」
文乃さんはうつむいて、肩を震わせている。
「――龍せんせいが言ってた。鉄兵、保育園で『サンタさんへのお願い』に『3人でずっと暮らせるように』って書いたんだって。何か欲しい物はないか聞いたら、まーくんとブンちゃんって答えたんだって。
……クリスマスって言うより、七夕みたいだよね!」
――上げた文乃さんの顔は、泣き笑いになっていた。
「文乃さん」
「去年は何も買ってあげられなくて……当然サンタさんも……鉄兵、あんなに良い子なのに……っ」
文乃さんの目に、涙が溢れる。
――たまらず、ぎゅっと抱きしめた。
「文乃さん、たくさんプレゼントを買おう。
サンタさんから、去年と今年の分で2つ。25日の交換用にも、僕からと文乃さんからで2つ。
ね?」
「せんせ……ありがと……」
文乃さんも僕を抱きしめてくれる。
――よみがえる、子どもの頃の記憶。
街中や友達の家のように飾りつけられることのない我が家、そして――いくら待っても来ないサンタクロース。
鉄兵くんにそんな思いはさせたくない。それは、文乃さんも同じだろう。
けれど、昨年の状況はクリスマスどころではなくて――それでも文乃さんは自分を責めてしまう。
「今年のクリスマスは盛大にしましょう」
――去年のクリスマスを補って余りあるぐらいに。
「――うん。でも、やりすぎはダメだよ。もうツリーの飾りは十分だし、ケーキも1個で良いからね」
「はーい。文乃さんはしっかり者の奥さまですね☆」
「な……っ。それから、サンタビキニは着ないからね!」
「うーん、仕方ない。それじゃ、別の衣装を考えないと」
「ほっ、ほどほどにしてよ」
「ほどほどかー、うーん」
「そこ、悩むとこなの!?」
クリスマスはとうに過ぎておりますが……ご容赦くださいm(_ _)m
鉄兵くんが寝た頃を見計らって、そっと襖を開ける。
よく寝ているようだけれど、念のため声を潜めて手招きをした。
「文乃さん、文乃さん」
文乃さんは顔に「?」を浮かべながら、自分の部屋に招き入れた。
文乃さんを座らせて自分も向かいに座って――
「どうしてもダメですか? サンタビキニ」
――サンタビキニを出してみた。
「着ねーよ!」
「そうですか……」
かぶせ気味の返事はやはり「No」で――当たり前か。
まあ、本題は別のところにあるんだけど。
「わざわざ呼び出してそんな話? だったらあたしもう寝る……」
「待って待って。さっきのは冗談。――鉄兵くんのクリスマスプレゼントを相談したくて」
「……え?」
立ち上がりかけた文乃さんを慌てて制して、再び座ってもらう。
「文乃さんもアルバイトしたお金でプレゼント用意するでしょう? かぶっちゃわないようにしないとね。
やっぱりリーゼントくんのおもちゃかな。けど、本が好きだから絵本も喜んでくれそうだよね。文乃さん、鉄兵くんから何か聞いてる? ――文乃さん?」
文乃さんはうつむいて、肩を震わせている。
「――龍せんせいが言ってた。鉄兵、保育園で『サンタさんへのお願い』に『3人でずっと暮らせるように』って書いたんだって。何か欲しい物はないか聞いたら、まーくんとブンちゃんって答えたんだって。
……クリスマスって言うより、七夕みたいだよね!」
――上げた文乃さんの顔は、泣き笑いになっていた。
「文乃さん」
「去年は何も買ってあげられなくて……当然サンタさんも……鉄兵、あんなに良い子なのに……っ」
文乃さんの目に、涙が溢れる。
――たまらず、ぎゅっと抱きしめた。
「文乃さん、たくさんプレゼントを買おう。
サンタさんから、去年と今年の分で2つ。25日の交換用にも、僕からと文乃さんからで2つ。
ね?」
「せんせ……ありがと……」
文乃さんも僕を抱きしめてくれる。
――よみがえる、子どもの頃の記憶。
街中や友達の家のように飾りつけられることのない我が家、そして――いくら待っても来ないサンタクロース。
鉄兵くんにそんな思いはさせたくない。それは、文乃さんも同じだろう。
けれど、昨年の状況はクリスマスどころではなくて――それでも文乃さんは自分を責めてしまう。
「今年のクリスマスは盛大にしましょう」
――去年のクリスマスを補って余りあるぐらいに。
「――うん。でも、やりすぎはダメだよ。もうツリーの飾りは十分だし、ケーキも1個で良いからね」
「はーい。文乃さんはしっかり者の奥さまですね☆」
「な……っ。それから、サンタビキニは着ないからね!」
「うーん、仕方ない。それじゃ、別の衣装を考えないと」
「ほっ、ほどほどにしてよ」
「ほどほどかー、うーん」
「そこ、悩むとこなの!?」
初デート
卒業式から数日後。
先生と私はショッピングモールへ買い物に来ていた。
初めて、堂々と、2人きりで!
入学式で着るスーツや鉄兵の服、それから美留ちゃんへのプレゼントを買ったり、レストラン街で食事をしたり。
見知った顔を見つけて慌てて隠れて、先生と顔を見合わせて笑った。
――もう、秘密にしなくて良いんだ。
夕方近くになってそろそろ帰ろうかというとき、先生が宝石店の前で足を止めた。
「先生?」
先生が入ろうとするので、つないでいた手に力を込めた。
目線で何を買うのか問うと、「指輪を買おう」なんて答えが返ってきた。
「指輪!?」
「この結婚指輪は勢いで買った安物だからね。婚約指輪も僕が勝手に用意したものだし。結婚指輪を買い直そう。一緒に選ぼう?」
「何言ってんの、十分だよ!」
「まあまあ、お祝いってことで」
「お祝いならパソコンもらったよ!」
「いいから、ホラ」
「やだ……っ!」
思わず先生の手を振り払った。
遠巻きに「ケンカ?」といったざわついた声が聞こえてきて、先生が「こっちへ」と目立たない通路脇へと私を導いた。
「文乃さん?」
「やだ……やだよ。
先生が私をしばるって買ってくれたものじゃん。なくしちゃったときは鉄兵が探してくれて、海に落ちそうになった私と鉄兵を助けてくれたじゃん。先生、この指輪に誓いのキスしてくれたじゃん……!
この指輪じゃなきゃやだ……!」
――少しの沈黙の後、先生がふわりと頭を撫でてくれた。
「うん……わかった。――大切にしてくれてありがとう」
私はあふれる涙をふきながら、何度も頷く。
――耳元で、先生の悪戯っぽい声が聞こえた。
「ほんとはすっげー抱きしめたいけど、人前だから、後でね」
「な……っ」
「今日はもう帰ろう?」
「……うん」
先生は私の手を取って歩き始めた。
「今度来たときは、指輪をクリーニングしてもらおうね」
「うん」
先生の指が、私の指輪をするりと撫でた。
先生と私はショッピングモールへ買い物に来ていた。
初めて、堂々と、2人きりで!
入学式で着るスーツや鉄兵の服、それから美留ちゃんへのプレゼントを買ったり、レストラン街で食事をしたり。
見知った顔を見つけて慌てて隠れて、先生と顔を見合わせて笑った。
――もう、秘密にしなくて良いんだ。
夕方近くになってそろそろ帰ろうかというとき、先生が宝石店の前で足を止めた。
「先生?」
先生が入ろうとするので、つないでいた手に力を込めた。
目線で何を買うのか問うと、「指輪を買おう」なんて答えが返ってきた。
「指輪!?」
「この結婚指輪は勢いで買った安物だからね。婚約指輪も僕が勝手に用意したものだし。結婚指輪を買い直そう。一緒に選ぼう?」
「何言ってんの、十分だよ!」
「まあまあ、お祝いってことで」
「お祝いならパソコンもらったよ!」
「いいから、ホラ」
「やだ……っ!」
思わず先生の手を振り払った。
遠巻きに「ケンカ?」といったざわついた声が聞こえてきて、先生が「こっちへ」と目立たない通路脇へと私を導いた。
「文乃さん?」
「やだ……やだよ。
先生が私をしばるって買ってくれたものじゃん。なくしちゃったときは鉄兵が探してくれて、海に落ちそうになった私と鉄兵を助けてくれたじゃん。先生、この指輪に誓いのキスしてくれたじゃん……!
この指輪じゃなきゃやだ……!」
――少しの沈黙の後、先生がふわりと頭を撫でてくれた。
「うん……わかった。――大切にしてくれてありがとう」
私はあふれる涙をふきながら、何度も頷く。
――耳元で、先生の悪戯っぽい声が聞こえた。
「ほんとはすっげー抱きしめたいけど、人前だから、後でね」
「な……っ」
「今日はもう帰ろう?」
「……うん」
先生は私の手を取って歩き始めた。
「今度来たときは、指輪をクリーニングしてもらおうね」
「うん」
先生の指が、私の指輪をするりと撫でた。
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