たちばな庵
二次創作メインのブログです。 男女CPオンリー。 ご注意ください。
【ドラマ外妄想】どこが好き?
- 2012/12/30 (Sun)
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「水原さん」
想は咎めるように可奈を呼んだ。
可奈がわからないと言うから想のマンションで公式の解き方を説明しているのに、可奈はテキストに無関心で、じっと想の顔を見ている。
「さっきから何ですか。僕の顔を見ているだけじゃ、答えはわかりませんよ」
想が深いため息をつくと、可奈が視線はそのままに「ねえ」と口を開いた。
「燈馬君も、やっぱり胸が大きい方が好みなの?」
「……は?」
想は目を瞬かせた。
一体何の脈絡で、と言いかけて、ああ、と思い当たる。
今日の休み時間、クラスの男子何人かが、誰かの持ってきた雑誌に集まっていた。
刺激的な水着姿のアイドルが掲載されていたらしく、半ばひったくるように雑誌が読みまわされ、ずいぶん盛り上がっていた。
が。
想は参加していないし興味もない。
「男が全員、胸に関心があるわけではありませんよ。女性だって、男の好きな部位は人それぞれでしょう?」
「じゃあ、燈馬君は胸はどうでもいいの? 女の子のどんなところが好きなの?」
ずいっ、と身を乗り出してくる。
想は反射的に身を引きながら、顔が熱くなるのを感じた。
――この人は。
自分がどんな状況で何を言っているのかわかっているのだろうか?
可奈は安堵したような不安なような微妙な色を目に浮かべている。
想は眩暈を抑えるように、額に手をやった。
――自覚がないからタチが悪い。
「秘密です」
「えーっ、何でよ! ずるい!」
「何もずるくないです。じゃあ、こうしましょう。水原さんが教えてくれたら僕も答えます」
「ええー……」
「それならおあいこです」
「だって、そんなのわかんないもん。男の子のどこかとか、気にしたことないし」
「では、僕もわかりません」
「嘘だ。私が答えたら教えてくれるって言ったじゃん」
「でも水原さんは答えられないんでしょう?」
「う……」
「さ、おしゃべりはお終いです。この問題をやってみてください」
想はそう言って、指先で軽くテキストを叩いた。
可奈に自分で解く時間を与えて、想は自問する。
――女性の、どこに目がいくか――?
今まで、あまり女性を「異性」として見たことがなかったのかもしれない、と気づく。
ロキがよく女性談義をしていたが、「そういうものなのか」とどこか遠いところの話のように感じていた。
改めて考えてみると、思い浮かぶのは、
太陽のような笑顔とか、
くるくる動く大きな瞳とか、
ポニーテールが揺れるたびにちらりと見えるうなじとか……
そこまで考えて、ぼっと赤面した。
思い浮かぶのは、全て可奈の笑顔、瞳、そしてうなじ。
想は脳裏の映像を消そうと、勢いよく左右に首を振った。
「……燈馬君? どうしたの?」
可奈の不審げな声がする。
想は慌てて「何でもありません」と答えた。
「できましたか?」
「全然」
集中集中。
想は自分に言い聞かせて、可奈ができないと訴える問題に目を向けた。
想は咎めるように可奈を呼んだ。
可奈がわからないと言うから想のマンションで公式の解き方を説明しているのに、可奈はテキストに無関心で、じっと想の顔を見ている。
「さっきから何ですか。僕の顔を見ているだけじゃ、答えはわかりませんよ」
想が深いため息をつくと、可奈が視線はそのままに「ねえ」と口を開いた。
「燈馬君も、やっぱり胸が大きい方が好みなの?」
「……は?」
想は目を瞬かせた。
一体何の脈絡で、と言いかけて、ああ、と思い当たる。
今日の休み時間、クラスの男子何人かが、誰かの持ってきた雑誌に集まっていた。
刺激的な水着姿のアイドルが掲載されていたらしく、半ばひったくるように雑誌が読みまわされ、ずいぶん盛り上がっていた。
が。
想は参加していないし興味もない。
「男が全員、胸に関心があるわけではありませんよ。女性だって、男の好きな部位は人それぞれでしょう?」
「じゃあ、燈馬君は胸はどうでもいいの? 女の子のどんなところが好きなの?」
ずいっ、と身を乗り出してくる。
想は反射的に身を引きながら、顔が熱くなるのを感じた。
――この人は。
自分がどんな状況で何を言っているのかわかっているのだろうか?
可奈は安堵したような不安なような微妙な色を目に浮かべている。
想は眩暈を抑えるように、額に手をやった。
――自覚がないからタチが悪い。
「秘密です」
「えーっ、何でよ! ずるい!」
「何もずるくないです。じゃあ、こうしましょう。水原さんが教えてくれたら僕も答えます」
「ええー……」
「それならおあいこです」
「だって、そんなのわかんないもん。男の子のどこかとか、気にしたことないし」
「では、僕もわかりません」
「嘘だ。私が答えたら教えてくれるって言ったじゃん」
「でも水原さんは答えられないんでしょう?」
「う……」
「さ、おしゃべりはお終いです。この問題をやってみてください」
想はそう言って、指先で軽くテキストを叩いた。
可奈に自分で解く時間を与えて、想は自問する。
――女性の、どこに目がいくか――?
今まで、あまり女性を「異性」として見たことがなかったのかもしれない、と気づく。
ロキがよく女性談義をしていたが、「そういうものなのか」とどこか遠いところの話のように感じていた。
改めて考えてみると、思い浮かぶのは、
太陽のような笑顔とか、
くるくる動く大きな瞳とか、
ポニーテールが揺れるたびにちらりと見えるうなじとか……
そこまで考えて、ぼっと赤面した。
思い浮かぶのは、全て可奈の笑顔、瞳、そしてうなじ。
想は脳裏の映像を消そうと、勢いよく左右に首を振った。
「……燈馬君? どうしたの?」
可奈の不審げな声がする。
想は慌てて「何でもありません」と答えた。
「できましたか?」
「全然」
集中集中。
想は自分に言い聞かせて、可奈ができないと訴える問題に目を向けた。
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