たちばな庵
二次創作メインのブログです。 男女CPオンリー。 ご注意ください。
【10話妄想】1
- 2012/12/30 (Sun)
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アメリカ行きをやめて日本に残ることに決めて。
想は再び咲坂高校への編入手続きを取った。
担任はやはり迷惑だったのか……何も言わなかったが、「何を考えているのかわからない」といった表情が見てとれた。
想は苦笑しながら担任に頭を下げた。
職員室を出ると、教室へ向かった。
可奈が、春休み返上で補習を受けているのだ。
「燈馬君、手続き終わった?」
「はい。水原さんも終わりですか?」
「うん。はーっ、でもまた帰ったら宿題だー。何で春休みに勉強しなきゃなんないのよーっ」
「それは自業自得では」
「うるさいっ」
そんな会話をしながら帰途につく。
「宿題、1人でできるんですか?」
「できない。宿題も空白とか×ばっかだから、毎日課題増えてるし」
「言ってくれれば教えるのに」
「いや、いい」
「昨日もそう言ってたでしょう。夜中までかかったんじゃないですか? 今日はさらに量が増えて、徹夜の覚悟ですか?」
「う……」
「さ、そうと決まれば、どこでやりましょう。うちに来ますか?」
「それはダメ」
可奈の即答に、想は首をひねる。
「じゃあ、水原さんの家でやりましょうか」
「それもダメ。今日は父さん遅いし」
じゃあ……と言いかけたとき、可奈の頭に桜の花びらがひっかかった。
それを取ろうと髪に手を伸ばすと、可奈がびくりと身を引いた。
「あ……ごめん」
可奈の目が泳いでいる。
それを見て、想は納得した。
――可奈は、緊張しているのだ。
想は目標をわずかに変え、可奈の頬に触れた。
可奈が小さく震えている。
想は、その頬を思いっきり引っ張った。
「いひゃい! 何ふんのよ!」
「何を怖がってるんですか? 水原さんの方が腕っ節強いのに」
「ちょっと! それ、どういう意味よ!」
可奈が怒って腕を振り払う。
「例え僕が水原さんに襲い掛かったとしても返り討ちに合うだろう、という意味です。そんな真似はしません。まだ命が惜しいですから」
想は言いたいことだけ言うと歩き始めた。
想のマンションでも、可奈の家の方向でもない。
「どこ行くの?」
「ファミレスです。水原さんのおごりですよ」
「えぇーっ!」
「嫌ならどちらかの家しかありませんね」
「……わかった」
しぶしぶ、といった体で、あとをついてくる。
いつもと逆だ。
想はおや、と思う。
――これは少し、楽しいかもしれない。
歩きながら、こともなげに言ってみた。
「まあ、その気になったら言ってきてください。いつでも歓迎しますよ」
「えっ?」
「僕も、男ですから」
「なっ…」
絶句する可奈に、想は笑ってみせた。
□あとがき□
10話の冒頭シーン。
「可奈ちゃんがテストで赤点取って追試を受ける」ということになってましたよね。
燈馬君がアメリカに帰っちゃうってなって、勉強が手につくわけがない。
追試も赤点だったに違いない。
可奈ちゃんはきっと手をつないだりするのに時間かかるんだろうな(自分からはしょっちゅう手をつかむのに・笑)、で、燈馬君はそれを慈しむ瞳で見つめながら待つんだろうなー。
けど、燈馬君も男子だしねえ。
…という妄想でした。
想は再び咲坂高校への編入手続きを取った。
担任はやはり迷惑だったのか……何も言わなかったが、「何を考えているのかわからない」といった表情が見てとれた。
想は苦笑しながら担任に頭を下げた。
職員室を出ると、教室へ向かった。
可奈が、春休み返上で補習を受けているのだ。
「燈馬君、手続き終わった?」
「はい。水原さんも終わりですか?」
「うん。はーっ、でもまた帰ったら宿題だー。何で春休みに勉強しなきゃなんないのよーっ」
「それは自業自得では」
「うるさいっ」
そんな会話をしながら帰途につく。
「宿題、1人でできるんですか?」
「できない。宿題も空白とか×ばっかだから、毎日課題増えてるし」
「言ってくれれば教えるのに」
「いや、いい」
「昨日もそう言ってたでしょう。夜中までかかったんじゃないですか? 今日はさらに量が増えて、徹夜の覚悟ですか?」
「う……」
「さ、そうと決まれば、どこでやりましょう。うちに来ますか?」
「それはダメ」
可奈の即答に、想は首をひねる。
「じゃあ、水原さんの家でやりましょうか」
「それもダメ。今日は父さん遅いし」
じゃあ……と言いかけたとき、可奈の頭に桜の花びらがひっかかった。
それを取ろうと髪に手を伸ばすと、可奈がびくりと身を引いた。
「あ……ごめん」
可奈の目が泳いでいる。
それを見て、想は納得した。
――可奈は、緊張しているのだ。
想は目標をわずかに変え、可奈の頬に触れた。
可奈が小さく震えている。
想は、その頬を思いっきり引っ張った。
「いひゃい! 何ふんのよ!」
「何を怖がってるんですか? 水原さんの方が腕っ節強いのに」
「ちょっと! それ、どういう意味よ!」
可奈が怒って腕を振り払う。
「例え僕が水原さんに襲い掛かったとしても返り討ちに合うだろう、という意味です。そんな真似はしません。まだ命が惜しいですから」
想は言いたいことだけ言うと歩き始めた。
想のマンションでも、可奈の家の方向でもない。
「どこ行くの?」
「ファミレスです。水原さんのおごりですよ」
「えぇーっ!」
「嫌ならどちらかの家しかありませんね」
「……わかった」
しぶしぶ、といった体で、あとをついてくる。
いつもと逆だ。
想はおや、と思う。
――これは少し、楽しいかもしれない。
歩きながら、こともなげに言ってみた。
「まあ、その気になったら言ってきてください。いつでも歓迎しますよ」
「えっ?」
「僕も、男ですから」
「なっ…」
絶句する可奈に、想は笑ってみせた。
□あとがき□
10話の冒頭シーン。
「可奈ちゃんがテストで赤点取って追試を受ける」ということになってましたよね。
燈馬君がアメリカに帰っちゃうってなって、勉強が手につくわけがない。
追試も赤点だったに違いない。
可奈ちゃんはきっと手をつないだりするのに時間かかるんだろうな(自分からはしょっちゅう手をつかむのに・笑)、で、燈馬君はそれを慈しむ瞳で見つめながら待つんだろうなー。
けど、燈馬君も男子だしねえ。
…という妄想でした。
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