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たちばな庵

二次創作メインのブログです。 男女CPオンリー。 ご注意ください。

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スリーピング ビューティ……い?

 自分で言うのもナンだけど、珍しく家でマジメに宿題をしていた。
 ら。
 小さな小さな燈馬君に「そこ、間違ってますよ!」と怒られた。
 ……燈馬君。もともと小柄だけど、身長10cmてのは有り得なくない?
 そう心の中でツッコんでいると、
「寝てる場合じゃないでしょう! ほら、こっちも違う」
 ……ああ、そうか。私、寝てるんだ。じゃあ、これは夢なんだな。
 燈馬君が小さい理由がわかってスッキリした。
「ほら、これもこれも。水原さん、書けばいいってもんじゃないんですよ!」
 夢の中までうるさいヤツだなあ。
「もうっ、そんなにあーだこーだ言わないでよ。代わりにやってくれたらいいじゃん。どうせ夢なんだから」
 起きる気のない私に諦めたのか、ムっとした顔の燈馬君がわらわらと出てきて宿題の続きをやり始めた。
 最初に出てきた燈馬君が指示を出して、別の1人がシャーペンを持って、さらに別の1人が消しゴム係。
 ……ていうか、消しゴム係の燈馬君、私が書いたページ、全部消しちゃったんだけど。
 これはさすがにマズいかも(汗)。

 そんなことを思いながら燈馬君を見ていると、何となく肩に重みを感じた。
 燈馬君が毛布をかけてくれてるんだ。
 小さな体では重いだろうに、ミニチュア燈馬君2人がかりで力いっぱい毛布を引き上げている。
 ふふふ。
 どんなに仏頂面してても、本当は優しい人なんだよね。

 ――私は心に暖かいものを感じながら、深い眠りについた。
 宿題も完璧だしね!


「可奈ーっ! いつまで寝てるの!」
 母さんの大きな声で目が覚めた。
 あれ、もう朝か……何時だろ……。
 ――げっ、遅刻しちゃう!
 時計を見て慌てて飛び起きると、ぱさり、と毛布が落ちた。

 しばしそれを見つめて、一気に思い出した。
 そうだ、昨日、燈馬君が宿題やってくれたんだっけ……って。
 ノート真っ白じゃん! 何で!?
「可奈! いい加減にしなさいよ!」
 下から、再び母さんの声がする。
 そうだ、今はそんなこと考えてる場合じゃないや!
 我に返って、とりあえず身支度をすませて、ダッシュで家を出た。

 学校まで走っていると、正門前で燈馬君の背中に追いついた。
 ――はーっ、間に合った。
「おはようございます、水原さん」
 それには答えず、ひとまず一発、拳を振るった。
「なっ! 朝から何するんですか!」
「アンタのせいで宿題真っ白なんだからね! 責任取って、後から見せてよ!」
「はあ?」
 燈馬君が頭に「?」を浮かべている。
 けどいいの! 燈馬君のせいなんだから!


□あとがき□
 コミックス33巻「推理小説家殺人事件」の扉絵より妄想。
 ……にしても、可奈ちゃん。傍若無人にもホドが……(苦笑)。

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