たちばな庵
二次創作メインのブログです。 男女CPオンリー。 ご注意ください。
ポニーテールとシ/ュ/シ/ュ
- 2012/12/30 (Sun)
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ここのところ、可奈は想のマンションに来てはDVDを観ている。
「ポニーテール……風の中~♪ ……っと、こうか。あれ、逆だ」
DVDで流れているのは、南の島の砂浜で踊る水着姿の少女たち。
可奈は、それを練習をしているのだ。
巷で人気のアイドルグループらしいが、当然、想にはわからない。
「ちょっと休憩~」
可奈がそう言ってソファに座り込んだので、想は飲み物を出しながら聞いてみた。
「どうしてその曲をコピーしてるんですか?」
可奈は飲み物を受け取って「ありがとう」と言ってから、理由を説明する。
「今度の『3年生を送る会』の余興なの。髪がショートの子は歌担当で、髪が長い子はポニーテールして踊るんだよ」
「えっ、まさか水着で!?」
可奈が画面を指差すから思わずそう言うと、一瞬驚いた顔を見せ、その後けらけら笑った。
「んなわけないじゃん! 3月の道場だよ? 寒くて踊るどころじゃないよ。制服か道着じゃない?」
「寒くてって……」
――そういう問題じゃないと思うのだが。
と、可奈の携帯電話が鳴った。
「はいはーい。どしたの? 曲? 今も練習してたよ。うん、だいぶ覚えた。
――衣装? 制服か道着でしょ? ええっ!? いやでも、それはちょっと。
わかるけどさあ……」
珍しく、可奈の歯切れが悪い。
可奈は、電話の応対をしながら想をちらりと見た。
「と、とにかく、明日のミーティングで相談しようよ。ね? じゃあ、明日ね。バイバイ」
そう言って、可奈は電話を切った。
可奈の受け答えの返事からして――。
想はため息混じりに「尋問」を始めた。
「剣道部の方ですか?」
「あーうん、そう」
「――その曲の、衣装の相談のようでしたね?」
「……うん。――水着で踊ろうなんて言い出して」
やっぱり。
想は大きく息を吐いた。
「余興が先輩にウケたら、夏の合宿にカンパしてもらえるんだよね。それで張り切っちゃってるみたいで」
「…………」
「あ、でも、まだ決定じゃないよ。明日のミーティングで話し合うことになったから」
「…………」
「通るわけないって。私も反対するしさ」
「…………」
「もーっ! 何なの!」
頬杖をついて無言のまま可奈を見る。
可奈は視線に耐えかねたように机を叩いて立ち上がった。
「言いたいことがあるなら言ったらいいじゃん!」
「別に」
想は姿勢はそのままにそっぽを向いた。
「剣道部の行事ですから、僕が口を出すことではありませんし」
「だったらじっと見るのやめてよ」
「わかりました」
想はそう言って、いつもの席に戻り、パソコンを操作を再開した。
「……何よ」
「何ですか?」
「どうして何も言わないの」
「言うべきことがないからですが?」
「――もういいっ!」
そっけなく返すと、可奈はクッションを投げて拗ねてしまった。
しばらくパソコンに向かう――が、こちらを見ている可奈がずっと目の端に映っている。
前触れなしにパソコンから目を移すと、不意をつかれた可奈と目が合った。
「何ですか?」
「――何が?」
「どうしてこちらを見るんです?」
「別にっ」
今度は可奈がそっぽを向いた。
「そうですか」
視線をパソコンに戻す。
そして、目の端にはこちらを見ている可奈が映る。
「水原さん。僕に言うことがあるんじゃないですか?」
「何を言うのよ」
「さあ、何でしょう」
想はパソコンのモニターから目を離さない。
目の端から可奈が消えた。と思ったら、隣に来ていた。
「水原さん?」
「……っ。水着を着なくていいように、協力してクダサイ」
悔しそうな様が可愛い、なんて思ってしまう。
「水着で踊りたくないのは、寒いから、ですか?」
「そ、そうだよ。風邪ひいちゃったら、しばらく燈馬君のご飯も作れなくなるでしょ? そうなったら困るよね?」
「それなら、ヒーターで道場を暖めておいたらいいんじゃないですか? 春休みだったら、学校の備品も使ってないでしょうから充分な数が集まるでしょう」
「そうじゃなくて!」
「違うんですか?」
座ったまま、可奈を見上げる。
「本当の理由を言ったら、衣装が制服になる方法を教えてあげます」
「~~~~~燈馬君のイジワルっ!」
真っ赤になる可奈に少し笑って、想は次の言葉を待った。
□あとがき□
某人気アイドルの曲をモチーフに。タイトルにスラッシュを入れるという暴挙(念のために、ね)。
PV見るたびに「可奈ちゃんがいそうだ」と思ってしまう(笑)。
「ポニーテール……風の中~♪ ……っと、こうか。あれ、逆だ」
DVDで流れているのは、南の島の砂浜で踊る水着姿の少女たち。
可奈は、それを練習をしているのだ。
巷で人気のアイドルグループらしいが、当然、想にはわからない。
「ちょっと休憩~」
可奈がそう言ってソファに座り込んだので、想は飲み物を出しながら聞いてみた。
「どうしてその曲をコピーしてるんですか?」
可奈は飲み物を受け取って「ありがとう」と言ってから、理由を説明する。
「今度の『3年生を送る会』の余興なの。髪がショートの子は歌担当で、髪が長い子はポニーテールして踊るんだよ」
「えっ、まさか水着で!?」
可奈が画面を指差すから思わずそう言うと、一瞬驚いた顔を見せ、その後けらけら笑った。
「んなわけないじゃん! 3月の道場だよ? 寒くて踊るどころじゃないよ。制服か道着じゃない?」
「寒くてって……」
――そういう問題じゃないと思うのだが。
と、可奈の携帯電話が鳴った。
「はいはーい。どしたの? 曲? 今も練習してたよ。うん、だいぶ覚えた。
――衣装? 制服か道着でしょ? ええっ!? いやでも、それはちょっと。
わかるけどさあ……」
珍しく、可奈の歯切れが悪い。
可奈は、電話の応対をしながら想をちらりと見た。
「と、とにかく、明日のミーティングで相談しようよ。ね? じゃあ、明日ね。バイバイ」
そう言って、可奈は電話を切った。
可奈の受け答えの返事からして――。
想はため息混じりに「尋問」を始めた。
「剣道部の方ですか?」
「あーうん、そう」
「――その曲の、衣装の相談のようでしたね?」
「……うん。――水着で踊ろうなんて言い出して」
やっぱり。
想は大きく息を吐いた。
「余興が先輩にウケたら、夏の合宿にカンパしてもらえるんだよね。それで張り切っちゃってるみたいで」
「…………」
「あ、でも、まだ決定じゃないよ。明日のミーティングで話し合うことになったから」
「…………」
「通るわけないって。私も反対するしさ」
「…………」
「もーっ! 何なの!」
頬杖をついて無言のまま可奈を見る。
可奈は視線に耐えかねたように机を叩いて立ち上がった。
「言いたいことがあるなら言ったらいいじゃん!」
「別に」
想は姿勢はそのままにそっぽを向いた。
「剣道部の行事ですから、僕が口を出すことではありませんし」
「だったらじっと見るのやめてよ」
「わかりました」
想はそう言って、いつもの席に戻り、パソコンを操作を再開した。
「……何よ」
「何ですか?」
「どうして何も言わないの」
「言うべきことがないからですが?」
「――もういいっ!」
そっけなく返すと、可奈はクッションを投げて拗ねてしまった。
しばらくパソコンに向かう――が、こちらを見ている可奈がずっと目の端に映っている。
前触れなしにパソコンから目を移すと、不意をつかれた可奈と目が合った。
「何ですか?」
「――何が?」
「どうしてこちらを見るんです?」
「別にっ」
今度は可奈がそっぽを向いた。
「そうですか」
視線をパソコンに戻す。
そして、目の端にはこちらを見ている可奈が映る。
「水原さん。僕に言うことがあるんじゃないですか?」
「何を言うのよ」
「さあ、何でしょう」
想はパソコンのモニターから目を離さない。
目の端から可奈が消えた。と思ったら、隣に来ていた。
「水原さん?」
「……っ。水着を着なくていいように、協力してクダサイ」
悔しそうな様が可愛い、なんて思ってしまう。
「水着で踊りたくないのは、寒いから、ですか?」
「そ、そうだよ。風邪ひいちゃったら、しばらく燈馬君のご飯も作れなくなるでしょ? そうなったら困るよね?」
「それなら、ヒーターで道場を暖めておいたらいいんじゃないですか? 春休みだったら、学校の備品も使ってないでしょうから充分な数が集まるでしょう」
「そうじゃなくて!」
「違うんですか?」
座ったまま、可奈を見上げる。
「本当の理由を言ったら、衣装が制服になる方法を教えてあげます」
「~~~~~燈馬君のイジワルっ!」
真っ赤になる可奈に少し笑って、想は次の言葉を待った。
□あとがき□
某人気アイドルの曲をモチーフに。タイトルにスラッシュを入れるという暴挙(念のために、ね)。
PV見るたびに「可奈ちゃんがいそうだ」と思ってしまう(笑)。
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