忍者ブログ

たちばな庵

二次創作メインのブログです。 男女CPオンリー。 ご注意ください。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Word-可奈編-

「水原警部は理由なく人を疑いません」
 ――燈馬君からこの言葉を聞くのは2度目だ。
 燈馬君はいつも、父さんと、そして私を助けてくれる。


 私の父さんは刑事だ。
 それは誇りに思っているけれど、小さい頃はずいぶん嫌味を言われたっけな。
 ちょっとケンカすると「刑事の娘が暴力ふるっていいのか」とか、事件が報道されると「早く犯人捕まえろ」とかさ。
 ま、そんなことを言われて黙っている性格でもないんだけど。


 燈馬君と出会ってから、父さんの仕事が身近になった。
 今までは、どんな事件に関わっているとか少し話を聞くだけだったのが、実際に事件に関わるようにもなったりして。
 燈馬君はバカだけど、途方もなく頭がいい。
 父さんが犯人を間違えたときや捜査に行き詰ったとき、何度も助けてもらった。
 他の人だったら「警察は何やってんだ」と言われても仕方がないことなのに、燈馬君からそんな言葉は聞いたことがない。
 逆に、父さんや私を信用してくれていると思う。
 それが、何だかとても嬉しい。


 HRで、進路希望の用紙が配られた。
 それをもとに、三者面談を行うという。
 進路か……まだ具体的に決めてはいないけど、何となく、刑事とか体育の先生とか向いてるのかな、なんて思ったりする。
 大学に進学することになるだろうけど、私の学力じゃ受験が大変なのは目に見えているから、スポーツ推薦が取れたらいいな。
 部活、頑張らなきゃな。
 ――そういえば、燈馬君は、高校を卒業したらどうするんだろう? ……アメリカに帰っちゃうのかな……?


 放課後。
 燈馬君に進路はどうするのか聞いてみた。
 すると、まだ決めてないとの返事。
 じゃあ、まだアメリカに帰ると決まったわけじゃないんだ。良かった。
 ――ん? 良かった? 何で?
 自分の中の不思議な感情に驚いていると、燈馬君から進路をどうするのか聞かれた。
 刑事か先生を考えていると答えて――そうだ! 燈馬君も先生になったらいいじゃん!
 そう言うと、燈馬君は目を真ん丸にした。
 そんなにびっくりすることかな? 向いてると思うんだけど。
 文句言ってばっかりの私にもちゃんと勉強教えてくれるし、難しい話もわかりやすいように説明してくれるし。
 わからないことの方が多いけど、それは私の頭の容量の問題だと思う――って、何を言わせるのよ。
 そしたら、教員免許がないとか何とか言ってる。
 燈馬君は勉強はできるのに、バカだと思うのはこういうところだ。
 なければ取ればいいでしょ。
 日本の大学に進学したら、卒業しても日本に留まることが確定するわけだし。
 一緒の大学は無理だろうけどね。
 スポーツ推薦を考えていると言った私に、返ってきた答えは
「推薦だと、テストが赤点でも大丈夫なんですか?」
 ――ドコッ!
 ――燈馬君のおバカなところがもう1つ。一言多い!


 その日、燈馬君を夕食に招待した。
 変な遠慮をするから、代わりに宿題を教えてもらうことにして。
 ほんっとーに教えてくれるだけで、やってくれないところがケチなんだけどね!
 それ以来、テスト期間以外にも勉強を教えてもらうことが増えた。
 場所は、私の家だったり、燈馬くんのマンションだったり、図書館だったり。
 成績も少しずつだけど上がってきた。
 やっぱり、先生向いてるよ!
 今度、進路の話が出たら、もう1度勧めてみよう。
 そんなことを思いながら、宿題のノートを閉じた。


□あとがき□
 可奈ちゃん大丈夫、あなたが日本にいる限り、燈馬君は日本を出ません!(注:あくまでもはるき設定です)

 いつの間にか-想編-の可奈ちゃんverに…「対になってるけど違う話」を書いていたはずなのにな。

拍手[0回]

PR

この記事へのコメント

Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧できます
 

カレンダー

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

フリーエリア

プロフィール

HN:
はるき
性別:
非公開
Copyright ©  -- たちばな庵 --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Photo by momo111 / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]