たちばな庵
二次創作メインのブログです。 男女CPオンリー。 ご注意ください。
奥様は寝相が悪い
- 2012/12/30 (Sun)
- キス早 |
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2巻巻末より
「勘弁してくれ……」
朝起きて。
開口一番、僕は頭を抱えて呟いた。
文乃さんからの「お誘い」がきっかけで、時々「川の字」で寝るようになった。
ずっと渇望していた、暗闇の中の優しい気配と温もり。
怖いくらいに幸せを感じる瞬間――なんだけど。
龍が余計な入れ知恵をしたせいで、ここのところ、文乃さんの寝巻きが大変なことになっている。
愛しい妻がセクシーな格好して隣で寝ているなんて、とっても美味しいシチュエーション(しかも僕のためなんだから、余計に可愛い)。
けれど、文乃さんはまだ高校生で、僕はその担任で。
色々ガマンしている身としては拷問に等しい……。
しかも、この季節。
夜中暑かったのか布団はハデにはだけていて、散らばった髪から細い肩が覗いてるわ、発展途上の胸元は危ういことになってるわ、短い裾からは太腿もあらわに白い脚が――。
つまりは、露出過度で無防備に眠る妻の姿が目の前にさらされているのである。
頭を抱える指の隙間から、ちらりと文乃さんを見る。
――うわ。
マジでヤバイ。
特に朝は、色々と問題が――。
理性が吹き飛びそうになったその瞬間、視線を感じてハッと我に返った。
「お……おはよう、鉄兵くん」
心中を隠して笑顔で挨拶すると、鉄兵くんがきょとんと僕を見返す。
「おはよー、まーくん」
その無垢な瞳から視線を逸らし、僕はばさりと文乃さんに布団をかけた。
「文乃さんは寝相悪いんだねー。鉄兵くん、蹴っ飛ばされたりしなかった?」
「んーん、だいじょうぶ」
「そっか」
「まーくん、おきないの?」
「うん? 起きてるよ?」
布団の中で半身を起こしたままの僕に、鉄兵くんは不思議そうに尋ねる。
――うん。今ちょっと、布団から出るのはマズいんだよね。
なんて言えるわけがないので、僕はゆっくり10数えて気持ちと身体を落ち着かせた。
「よし、ご飯にしよう! 鉄兵くん、文乃さんを起こして、顔洗っておいで」
「はーいっ」
僕は布団を出て、朝食の用意をすべく台所へ向かった。
「先生、おはよう……」
「おはよう、文乃さ……っ」
可愛い声に振り返って絶句した。
――文乃さんが、まだ着替えてなかったから。
扉の影から顔を出したかと思ったら、とことこと寄ってきて、上目遣いに僕を見る。
いや、だからヤバいから!
僕はくるりとコンロに向き直り、「もうすぐ目玉焼きできますよー。早く着替えて、座ってくださいね」とさらっと流した……フリをした。
「もー、これもダメじゃん。龍せんせいのウソツキ~っ」
文乃さんの、ぶつぶつ言う声が遠ざかっていく。
龍……。後でボコる。
僕はフライ返しを握り締めながら、心に誓った。
□あとがき□
2巻の「Meca Site」より。
理性ヤバい → 「川の字」を避けるように → 「先生、私に飽きちゃった!?」とブンちゃん悩む → ブンちゃんが泣いてまーくん焦る → 「川の字」で寝る → 最初に戻る(笑)
朝起きて。
開口一番、僕は頭を抱えて呟いた。
文乃さんからの「お誘い」がきっかけで、時々「川の字」で寝るようになった。
ずっと渇望していた、暗闇の中の優しい気配と温もり。
怖いくらいに幸せを感じる瞬間――なんだけど。
龍が余計な入れ知恵をしたせいで、ここのところ、文乃さんの寝巻きが大変なことになっている。
愛しい妻がセクシーな格好して隣で寝ているなんて、とっても美味しいシチュエーション(しかも僕のためなんだから、余計に可愛い)。
けれど、文乃さんはまだ高校生で、僕はその担任で。
色々ガマンしている身としては拷問に等しい……。
しかも、この季節。
夜中暑かったのか布団はハデにはだけていて、散らばった髪から細い肩が覗いてるわ、発展途上の胸元は危ういことになってるわ、短い裾からは太腿もあらわに白い脚が――。
つまりは、露出過度で無防備に眠る妻の姿が目の前にさらされているのである。
頭を抱える指の隙間から、ちらりと文乃さんを見る。
――うわ。
マジでヤバイ。
特に朝は、色々と問題が――。
理性が吹き飛びそうになったその瞬間、視線を感じてハッと我に返った。
「お……おはよう、鉄兵くん」
心中を隠して笑顔で挨拶すると、鉄兵くんがきょとんと僕を見返す。
「おはよー、まーくん」
その無垢な瞳から視線を逸らし、僕はばさりと文乃さんに布団をかけた。
「文乃さんは寝相悪いんだねー。鉄兵くん、蹴っ飛ばされたりしなかった?」
「んーん、だいじょうぶ」
「そっか」
「まーくん、おきないの?」
「うん? 起きてるよ?」
布団の中で半身を起こしたままの僕に、鉄兵くんは不思議そうに尋ねる。
――うん。今ちょっと、布団から出るのはマズいんだよね。
なんて言えるわけがないので、僕はゆっくり10数えて気持ちと身体を落ち着かせた。
「よし、ご飯にしよう! 鉄兵くん、文乃さんを起こして、顔洗っておいで」
「はーいっ」
僕は布団を出て、朝食の用意をすべく台所へ向かった。
「先生、おはよう……」
「おはよう、文乃さ……っ」
可愛い声に振り返って絶句した。
――文乃さんが、まだ着替えてなかったから。
扉の影から顔を出したかと思ったら、とことこと寄ってきて、上目遣いに僕を見る。
いや、だからヤバいから!
僕はくるりとコンロに向き直り、「もうすぐ目玉焼きできますよー。早く着替えて、座ってくださいね」とさらっと流した……フリをした。
「もー、これもダメじゃん。龍せんせいのウソツキ~っ」
文乃さんの、ぶつぶつ言う声が遠ざかっていく。
龍……。後でボコる。
僕はフライ返しを握り締めながら、心に誓った。
□あとがき□
2巻の「Meca Site」より。
理性ヤバい → 「川の字」を避けるように → 「先生、私に飽きちゃった!?」とブンちゃん悩む → ブンちゃんが泣いてまーくん焦る → 「川の字」で寝る → 最初に戻る(笑)
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