たちばな庵
二次創作メインのブログです。 男女CPオンリー。 ご注意ください。
5巻 温泉にて
- 2012/12/30 (Sun)
- キス早 |
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「文乃さん! 床ぬれてるから危ないっ……」
――つるっ。
ドバシャーン! ゴン!
「文乃さん!」
何で文乃さんが貸切風呂に、とか、鍵を掛け忘れたっけ? とか、いろんな疑問が頭を巡るけれど、そんなことは後回し。
僕はあがったばかりの露天風呂に再び入り、文乃さんを湯船から引き上げた。
あのすごい音。あれは絶対に頭を打ってるだろうとチェックすると、案の定、でかいタンコブができている。
――あーあ、やっぱり。
僕はタンコブにそっとキスをして、バスタオルで文乃さんの髪を拭いた。
「――何か?」
「え? いえ」
「妻は僕が運びますから後は大丈夫です。お手数をおかけしました」
「は……っ、はいぃっ」
濡れたままでは文乃さんを部屋に連れていけないと、フロントにバスタオル何枚かと浴衣の替えを持ってきてくれるよう頼んだのだが――僕が電話したからか、やってきたのはアルバイトらしき大学生くらいの男。
しかもそいつは、気を失っている文乃さんから目を離さず、この場から動こうとしない。
このままでは着替えさせられないので、退出してもらうことにした。
――もうちょっとで「地獄のまーくん」が出るところだった。危ない危ない。
野郎が出て行ったのを確認して、文乃さんの浴衣の帯に手をかける。
喉が、ごくりと鳴った。
――落ち着け。今は、非常事態なんだから。
僕は大きく深呼吸をして、文乃さんの浴衣をはだけさせた。
「わっ。フミノ、どーしたネ?」
「ちょっと湯当たり……? 翔馬、この鍵、フロントに返してきてくれ」
文乃さんを抱き上げて部屋に連れて行く途中、翔馬とダントンさんに会った。
翔馬に貸切風呂の鍵を預けて、ダントンさんに「すみませんが部屋に入ります」と断りを入れた。
「カズマ、フミノについててアゲテ。私、モウ一部屋取りマス」
「ありがとうございます」
僕は厚意に甘えることにして、ダントンさんに頭を下げた。
文乃さんを布団に入れて、僕も隣に横になる。
――顔色も普通だし、呼吸も安定してる。うん、大丈夫。
頭に手を添えて確認していると、文乃さんがゆっくり目を開けた。
「……大丈夫? ここは君の部屋だよ。えと、悪いけど、濡れた浴衣とか着替えさせてもらっ……」
文乃さんの手が頬に伸びて、僕は息を飲んだ。
「先生。私のこと……好きにしていいんだからね」
な……っ!
そんな顔でそんなことを言われたら、止められない……!
けれど、手首を拘束して顔を近づけると、やっぱり文乃さんは震えて涙ぐんでしまった。
僕は拘束を解いて、親指で涙を拭う。
「僕は大人になっていく文乃さんを大事にしたいんだよ! いつまでだって待ってやる。だから無理すんな……!」
これは本心。
――でもちょっぴり、「残念」とも思うけどね。
いきなりそんなことを言い始めたのは、多分、ダントンさんに影響されたんだろう。
だから、教えてあげた。
「あ、そうそう。文乃さん、胸大きくなったでしょ。おしつけられて気づいたのー」
「!!!」
□あとがき□
「浴衣を着替えさせた」ぁ!? というところから妄想。
でも、先生はきっと後ろ向かせたりバスタオルで隠したり、見えないように気をつけたんだろうな(笑)。
――つるっ。
ドバシャーン! ゴン!
「文乃さん!」
何で文乃さんが貸切風呂に、とか、鍵を掛け忘れたっけ? とか、いろんな疑問が頭を巡るけれど、そんなことは後回し。
僕はあがったばかりの露天風呂に再び入り、文乃さんを湯船から引き上げた。
あのすごい音。あれは絶対に頭を打ってるだろうとチェックすると、案の定、でかいタンコブができている。
――あーあ、やっぱり。
僕はタンコブにそっとキスをして、バスタオルで文乃さんの髪を拭いた。
「――何か?」
「え? いえ」
「妻は僕が運びますから後は大丈夫です。お手数をおかけしました」
「は……っ、はいぃっ」
濡れたままでは文乃さんを部屋に連れていけないと、フロントにバスタオル何枚かと浴衣の替えを持ってきてくれるよう頼んだのだが――僕が電話したからか、やってきたのはアルバイトらしき大学生くらいの男。
しかもそいつは、気を失っている文乃さんから目を離さず、この場から動こうとしない。
このままでは着替えさせられないので、退出してもらうことにした。
――もうちょっとで「地獄のまーくん」が出るところだった。危ない危ない。
野郎が出て行ったのを確認して、文乃さんの浴衣の帯に手をかける。
喉が、ごくりと鳴った。
――落ち着け。今は、非常事態なんだから。
僕は大きく深呼吸をして、文乃さんの浴衣をはだけさせた。
「わっ。フミノ、どーしたネ?」
「ちょっと湯当たり……? 翔馬、この鍵、フロントに返してきてくれ」
文乃さんを抱き上げて部屋に連れて行く途中、翔馬とダントンさんに会った。
翔馬に貸切風呂の鍵を預けて、ダントンさんに「すみませんが部屋に入ります」と断りを入れた。
「カズマ、フミノについててアゲテ。私、モウ一部屋取りマス」
「ありがとうございます」
僕は厚意に甘えることにして、ダントンさんに頭を下げた。
文乃さんを布団に入れて、僕も隣に横になる。
――顔色も普通だし、呼吸も安定してる。うん、大丈夫。
頭に手を添えて確認していると、文乃さんがゆっくり目を開けた。
「……大丈夫? ここは君の部屋だよ。えと、悪いけど、濡れた浴衣とか着替えさせてもらっ……」
文乃さんの手が頬に伸びて、僕は息を飲んだ。
「先生。私のこと……好きにしていいんだからね」
な……っ!
そんな顔でそんなことを言われたら、止められない……!
けれど、手首を拘束して顔を近づけると、やっぱり文乃さんは震えて涙ぐんでしまった。
僕は拘束を解いて、親指で涙を拭う。
「僕は大人になっていく文乃さんを大事にしたいんだよ! いつまでだって待ってやる。だから無理すんな……!」
これは本心。
――でもちょっぴり、「残念」とも思うけどね。
いきなりそんなことを言い始めたのは、多分、ダントンさんに影響されたんだろう。
だから、教えてあげた。
「あ、そうそう。文乃さん、胸大きくなったでしょ。おしつけられて気づいたのー」
「!!!」
□あとがき□
「浴衣を着替えさせた」ぁ!? というところから妄想。
でも、先生はきっと後ろ向かせたりバスタオルで隠したり、見えないように気をつけたんだろうな(笑)。
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