たちばな庵
二次創作メインのブログです。 男女CPオンリー。 ご注意ください。
【お題】ワガママ姫さまの5つの命令
- 2012/12/30 (Sun)
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4.このままぎゅっとしてて
学校からの帰り道。
可奈と想はいつものように並んで歩いていた。
もうすっかり陽が落ちて、空には星が瞬いている。
「寒いねえ……」
可奈が口を開いた。
寒さで声も震えるほどだ。
「今、冬型の気圧配置が日本中を覆っていますから。まあ、明日には緩むと思いますよ……あれ、水原さん、いつもしている手袋はどうしたんですか?」
可奈がはあっと両手に息を吹きかけたのを見て、想が聞く。
「今頃気づいたの? 朝、慌ててて忘れたの!」
「そうでしたか」
「あんたね、もうちょっと言い方ってもんがあるでしょ……っ!?」
そっけない返事に抗議しようとした可奈の語尾が消えた。
――想が、可奈の手を包んだのだ。
「……何やってんの?」
「手が冷たそうだな、と思って。ほら、やっぱりこんなに冷えて。もう感覚ないでしょう。何で言わないんですか」
「何でって……」
まさか、手を温めてくれるなんて思ってもなかったから、なんて言えるはずもなく。
照れ臭いのもあって、代わりに別のことを言った。
「こ、こんな両手つないでたら歩けないじゃん。早く帰ろうよ、寒いし」
「そうですね。マンションに寄って行きますか? 温まってから帰った方が良さそうですし。手袋もお貸ししますよ」
「……うん」
可奈が素直に頷くのを見て、想が手を離す――その前に、可奈が想の手を握った。
「水原さん?」
「あ、えーっと、その――何も、両方離すことないでしょ? 片手なら何の支障もなく歩けるわけだし……って、嫌ならいいけどっ!」
一転して、可奈は想の手を振りほどこうとした。
が、今度は想が可奈の手をぎゅっと握り返してニッコリと笑う。
「そうですね」
すでに可奈の体温はこれ以上ないほどに上昇していて、想のマンションに寄る必要もないように思えるけれど。
何も言わずに想に手をひかれたまま歩き始めた。
――この鼓動がバレてませんように、と祈りながら。
□一言ツッコミ
でも、当然バレてます(笑)。
お題配布元:age様
学校からの帰り道。
可奈と想はいつものように並んで歩いていた。
もうすっかり陽が落ちて、空には星が瞬いている。
「寒いねえ……」
可奈が口を開いた。
寒さで声も震えるほどだ。
「今、冬型の気圧配置が日本中を覆っていますから。まあ、明日には緩むと思いますよ……あれ、水原さん、いつもしている手袋はどうしたんですか?」
可奈がはあっと両手に息を吹きかけたのを見て、想が聞く。
「今頃気づいたの? 朝、慌ててて忘れたの!」
「そうでしたか」
「あんたね、もうちょっと言い方ってもんがあるでしょ……っ!?」
そっけない返事に抗議しようとした可奈の語尾が消えた。
――想が、可奈の手を包んだのだ。
「……何やってんの?」
「手が冷たそうだな、と思って。ほら、やっぱりこんなに冷えて。もう感覚ないでしょう。何で言わないんですか」
「何でって……」
まさか、手を温めてくれるなんて思ってもなかったから、なんて言えるはずもなく。
照れ臭いのもあって、代わりに別のことを言った。
「こ、こんな両手つないでたら歩けないじゃん。早く帰ろうよ、寒いし」
「そうですね。マンションに寄って行きますか? 温まってから帰った方が良さそうですし。手袋もお貸ししますよ」
「……うん」
可奈が素直に頷くのを見て、想が手を離す――その前に、可奈が想の手を握った。
「水原さん?」
「あ、えーっと、その――何も、両方離すことないでしょ? 片手なら何の支障もなく歩けるわけだし……って、嫌ならいいけどっ!」
一転して、可奈は想の手を振りほどこうとした。
が、今度は想が可奈の手をぎゅっと握り返してニッコリと笑う。
「そうですね」
すでに可奈の体温はこれ以上ないほどに上昇していて、想のマンションに寄る必要もないように思えるけれど。
何も言わずに想に手をひかれたまま歩き始めた。
――この鼓動がバレてませんように、と祈りながら。
□一言ツッコミ
でも、当然バレてます(笑)。
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