たちばな庵
二次創作メインのブログです。 男女CPオンリー。 ご注意ください。
【お題】ワガママ姫さまの5つの命令
- 2012/12/30 (Sun)
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5.まだまだ全然足りないの
想は信じられない思いで目の前に座る少女を見つめた。
少女は美味しそうにリゾットを頬張っている。
それは、よくある微笑ましい光景だろう。
しかし。
彼女の傍らには、食べ終えて重ねた皿がうず高く重ねられているのだ。
3月13日の放課後。
隣を歩いていた可奈が突然立ち止まった。
「……燈馬君、私に何か言うことないの?」
「はい?」
午後から笑顔がないな、と思ってはいたのだが、何か怒らせるようなことをしただろうか。
必死で考えるが、思い当たらない。
「明日は何の日!?」
「明日、ですか? 3月14日……1953年に吉田内閣解散、俗に言う『バカヤロー解散』……違いますよね。あ、ジョヴァンニ・スキアパレッリの生まれた日」
「誰それ」
「天文学者です。と、言うことは、それも違うんですね」
わけがわからない想に、可奈はますますムクれていく。
「そんな人知らないよ! 違うでしょ、明日はホワイトデーでしょう!?」
「ホワイトデー、って何ですか?」
想は、可奈の顎が外れやしないかと心配した。
それくらい、あんぐりと口を開けたのだ。
「……信じらんない。何でバレンタインデーを知っててホワイトデーを知らないのよ。
ホワイトデーは、バレンタインデーのお返しをする日なの」
「そうなんですか。そんな日が」
想は驚いた。
日本でバレンタインデーといえば女性から男性にチョコを贈る日と聞いていたが、そのお返しの日が用意されていたとは。
欧米では、男女関係なしにバレンタインデー当日に贈り物をし合うのだが。
「それはすみませんでした。ええっと、お返しはどうしたらいいんですか?」
素直に謝ったら、少しは機嫌が直ったのだろうか、可奈の表情が変わった。
「チョコをもらった男の子は、女の子の好きなものを好きなだけ、何でもご馳走するんだよ」
「『何でも』ですか」
「やだ、そんな高いもの言ったりしないから心配しないで。ブッフェで手を打ったげる」
「わかりました。それが明日なんですね? 何時にしますか?」
「11時に、マンションに行くよ」
「わかりました」
そして、ホワイトデー当日。
ホテルのランチブッフェで、制限の2時間、ほぼ全種類の料理を平らげた可奈は満足そうに手を合わせた。
「ご馳走様でした。美味しかった!」
「それは良かったです。さて、これからどうしましょうか。どこか行きたいところ、ありますか?」
会計を済ませ、レストランを出ながら想が言うと、可奈がキョトンとした。
「今から、デザートブッフェだよ」
「まだ食べるんですか!?」
「何よ、失礼ね。女の子にとって甘いものは別腹なの! さ、カフェコーナーへ行くよ」
想は信じられない思いで目の前に座る少女を見つめた。
少女は美味しそうにケーキを頬張っている。
それは、よくある微笑ましい光景だろう。
しかし。
彼女の傍らには、食べ終えて重ねた皿がうず高く重ねられているのだ。
「水原さん……まさかとは思いますが、今日の夕食は食べるんですか?」
「ん? 食べるよ。当たり前じゃん。育ち盛りだからね!」
□一言ツッコミ
天然燈馬君と、それをいいことに希望のWDをおねだりする可奈ちゃん(笑)。
お題配布元:age様
想は信じられない思いで目の前に座る少女を見つめた。
少女は美味しそうにリゾットを頬張っている。
それは、よくある微笑ましい光景だろう。
しかし。
彼女の傍らには、食べ終えて重ねた皿がうず高く重ねられているのだ。
3月13日の放課後。
隣を歩いていた可奈が突然立ち止まった。
「……燈馬君、私に何か言うことないの?」
「はい?」
午後から笑顔がないな、と思ってはいたのだが、何か怒らせるようなことをしただろうか。
必死で考えるが、思い当たらない。
「明日は何の日!?」
「明日、ですか? 3月14日……1953年に吉田内閣解散、俗に言う『バカヤロー解散』……違いますよね。あ、ジョヴァンニ・スキアパレッリの生まれた日」
「誰それ」
「天文学者です。と、言うことは、それも違うんですね」
わけがわからない想に、可奈はますますムクれていく。
「そんな人知らないよ! 違うでしょ、明日はホワイトデーでしょう!?」
「ホワイトデー、って何ですか?」
想は、可奈の顎が外れやしないかと心配した。
それくらい、あんぐりと口を開けたのだ。
「……信じらんない。何でバレンタインデーを知っててホワイトデーを知らないのよ。
ホワイトデーは、バレンタインデーのお返しをする日なの」
「そうなんですか。そんな日が」
想は驚いた。
日本でバレンタインデーといえば女性から男性にチョコを贈る日と聞いていたが、そのお返しの日が用意されていたとは。
欧米では、男女関係なしにバレンタインデー当日に贈り物をし合うのだが。
「それはすみませんでした。ええっと、お返しはどうしたらいいんですか?」
素直に謝ったら、少しは機嫌が直ったのだろうか、可奈の表情が変わった。
「チョコをもらった男の子は、女の子の好きなものを好きなだけ、何でもご馳走するんだよ」
「『何でも』ですか」
「やだ、そんな高いもの言ったりしないから心配しないで。ブッフェで手を打ったげる」
「わかりました。それが明日なんですね? 何時にしますか?」
「11時に、マンションに行くよ」
「わかりました」
そして、ホワイトデー当日。
ホテルのランチブッフェで、制限の2時間、ほぼ全種類の料理を平らげた可奈は満足そうに手を合わせた。
「ご馳走様でした。美味しかった!」
「それは良かったです。さて、これからどうしましょうか。どこか行きたいところ、ありますか?」
会計を済ませ、レストランを出ながら想が言うと、可奈がキョトンとした。
「今から、デザートブッフェだよ」
「まだ食べるんですか!?」
「何よ、失礼ね。女の子にとって甘いものは別腹なの! さ、カフェコーナーへ行くよ」
想は信じられない思いで目の前に座る少女を見つめた。
少女は美味しそうにケーキを頬張っている。
それは、よくある微笑ましい光景だろう。
しかし。
彼女の傍らには、食べ終えて重ねた皿がうず高く重ねられているのだ。
「水原さん……まさかとは思いますが、今日の夕食は食べるんですか?」
「ん? 食べるよ。当たり前じゃん。育ち盛りだからね!」
□一言ツッコミ
天然燈馬君と、それをいいことに希望のWDをおねだりする可奈ちゃん(笑)。
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